日本のケベック研究
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48 インタビュー要旨 1.まず簡単に自己紹介いただき、これまでやられてきたご活動は何かお話しください。 金城学院大学の丹羽卓です。私はもともと理論言語学を研究していましたが、あるとき旅行でモントリオールに行きバイリンガル都市を初めて体験して強く関心を持ちました。それで帰国後ケベック州政府在日事務所を訪れたりして私のケベックに関する勉強が始まりました。 その後、2000年にジェラール・ブシャール氏が来日された際にいただいた著書(『ケベックの生成と「新世界」』)を翻訳し、またその後2009年にアラン・ガニョン教授の来日の際にいただいた著書(『マルチナショナリズム』)も翻訳しました。今はガニョン教授の新しい著書をほぼ翻訳し終わり間もなく出版される予定です。 このように翻訳を通じて、私のケベック研究も社会の言語の現象ではなく、その背後にある社会のアイデンティティや主権といった政治の問題などに関心が移っています。 2.今後のご抱負、ご計画も含めて今考えていらっしゃることをさらにご説明いただけますか。 私としては、ケベックのこの二人の学者の著書の翻訳を通じて、ケベックの学者がケベックのことをどう訴えているのかを直接日本に紹介できてとても幸いに思っています。それが今後の日本でのケベック研究にとって意味があると考えるからです。 日本のケベック研究者の数は少ないですし、なされていない研究分野もたくさんあります。そのためにまず基本的文献でケベックのことを知る必要がありますし、また研究者だけでなく日本の人々にケベックのことを知ってもらうためには日本語での翻訳書が意味を持つと思います。今はまたジェラール・ブシャールの新しい著書の翻訳にとりかかっているところです。 私自身の今の関心は、社会が多様化する中で起こってきた「ラシスム」という問題にあります。21世紀の多様化する社会におけるラシスムということで、まずはケベックについて、またベルギーのフランデレンにおけるラシスムについて研究を進めています。それは日本で今、ヘイトスピーチやヘイトクライムがやっと問題になってきていますが、それをどう考えるのか、それをケベック、カナダ、ベルギーなどでどう扱っていて、日本社会にどのようなことを教えてくれているのかを考えたいと思うからです。 AJEQ Entrevue Série 6-2: AJEQインタビューシリーズ6-2 Entrevue avec NIWA Takashi: インタビュー:丹羽 卓 http://japon-quebec.org/niwa/ NIWA Takashi (Université Kinjo Gakuin) 丹羽 卓(金城学院大学) インタビュービデオ(Japonais日本語)– 11:23 http://youtu.be/bhFM0tBGcsQ 2014年10月11日 東京都豊島区西池袋、立教大学にて
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