日本のケベック研究
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44 岡見さえ(上智大学) インタビュー(日本語): http://youtu.be/3jrXKo4Eetw 安田 敬(ダンスカフェ) インタビュー(日本語): http://youtu.be/oK5wftFgoPU 対談要旨 安田:私は最初1995年にモントリオールでのダンスの国際フェスティバルに取材に行きましたが、今ではよく知られているアーティストたちが当時からそろって公演していて、その大きさに驚きました。最近では2012年のCINARS(国際舞台芸術見本市)に行き、ケベックダンスの新しい傾向と可能性に触れてきました。 岡見:私はモントリオールには、AJEQの研究助成をいただき、2013年の2月に2週間ほど滞在しました。とてもよく整備されたダンスの環境や豊かなダンスの土壌に感銘を受けました。その後ヨーロッパを訪れても、国際的なダンスのフェスティバルでケベックのダンスが強い存在感を持ち続けていることを実感します。日本でも10年以上ケベックダンスを見続けている根強いファンも多くいるので、コンテンポラリーダンスの新しい傾向も含めて紹介されればいいと思います。 安田:日本ではなかなかダンス、特に若手のコンテンポラリーダンスのアーティストたちを紹介する企画がないのですが、青山劇場を中心に、東京とソウルとモントリオールの3都市でお互いに新しいダンスを紹介する活動が行われているので、ぜひ続けてほしいと思います。 岡見:日本から海外に文化発信するというと、アニメやマンガ、さらに伝統芸能などが挙げられますが、日本のダンスも海外で評価されています。ただし、この事実は日本では一般には知られていないのが残念です。例えば、舞踏などは海外のアーティストたちが興味を持っています。 安田:日本の舞踏は、世界中のアーティストから注目されていますが、ある意味でこれは欧米のバレエのダンスが壁にぶつかったというか、新しいものを求めてアジア、特にインド、韓国、日本の伝統的なダンスからヒントを得て、新しい表現をつくりだそうという動きと理解できます。今後はケベックなど海外のダンスを日本に紹介するだけでなく、日本の舞踏なども紹介していきたいと思っています。 ---------------------------------------------------------------------------------
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