日本のケベック研究
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27 古地順一郎の主要業績: 論文: 1. 「ケベックにおける移民・文化的マイノリティとその統合政策―政府行動計画実施委員会(1981-1984年) を中心に―」『ケベック研究』第4号,72-89頁。 著書: 1. Luc Juillet and Junichiro Koji. 2013. “Policy Change and Constitutional Order: Municipalities, Intergovernmental Relations, and the Recent Evolution of Canadian Emergency Management Policy.” In Daniel Henstra ed. Multilevel Governance and Emergency Management in Canadian Municipalities. Montreal & Kingston: McGill-Queen’s University Press, p.25-61. 2. 飯野正子,竹中豊編著『カナダを旅する37章』明石書店,2012年(共著)。 3. Guy Chiasson and Junichiro Koji. 2011. “Quebec Immigrant Settlement Policy and Municipalities: Fine-Tuning a Provincial Template” In Erin Tolley and Robert Young eds. Immigrant Settlement Policy in Canadian Municipalities. Montreal & Kingston: McGill-Queen’s University Press, p.148-191. 4. 飯野正子,竹中豊編著『現代カナダを知るための57章』明石書店,2010年(共著)。 5. 辻村みよ子,大沢真理編著『ジェンダー平等と多文化共生』東北大学出版会,2010年(共著)。 翻訳: 1. アラン=G・ガニョン,ラファエル・イアコヴィーノ著,丹羽卓監修『マルチナショナリズム―ケベックとカナダ・連邦制・シティズンシップ』彩流社,2012年(共訳)。 2. ジェラール・ブシャール著,竹中豊,丹羽卓監修『ケベックの生成と「新世界」』彩流社,2007年(共訳)。 インタビュー要旨 1.まず簡単に自己紹介いただき、これまでやられてきたご研究の主要テーマは何かお話しください 皆さんこんにちは、古地順一郎です。北海道函館市にあります北海道教育大学函館校の国際地域学科で教員をしております。函館校では、日本と諸外国の地域政策に関する講義を主に担当しております。2014年2月まで14年半にわたってケベック州を中心にカナダに滞在し、研究活動を行ってきました。これまでの主な研究としては、カナダ連邦主義とケベック州の位置づけに関するものや、ケベック州の移民・文化的少数派に対する統合政策、移民定住化政策分野での重層的ガバナンスに関するものがあります。 2.現在のご研究の具体的なテーマと結論についてご説明いただけますか。 ケベック州の移民政策と統合政策に関心を持っています。現在とりわけ関心を持っているのは、統合概念に関する言説がケベック州議会においてどのように変化してきたかを明らかにすることです。また、日本ケベック学会の会員とともに、ケベック大学シクティミ校のジェラール・ブシャール教授による著書を翻訳中です。この本は、ケベック州におけるインターカルチュラリズムに関する論考です。 3.今後のご研究の課題や抱負についてお聞かせください。 北海道にある大学に勤務していることもあり、人口減少、地域開発、若者の都市への流出といった課題に関心があります。このような課題は、ケベック州の農村部でも見られる現象です。州政府や市町村が、このような課題にどのように取り組んでいるのか、移民の地方化も含めて研究していきたいと考えています。また、本年4月に行われた州議会選挙では、長らくケベック州の分離独立運動をリードしてきたケベック党が惨敗し、議席数、得票率ともに大きく後退しました。また、カナダ連邦議会でも、ケベック党の姉妹政党であるケベック連合が低迷しています。今後、これらの2つの政党がどのような道をたどって行くのか、追跡したいと考えております。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------
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